漫画賞・持ち込み

2018年12月期

月例マグコミマンガ大賞 結果発表!!

第36回募集、奨励賞1作品・努力賞4作品選出!

今回も多数のご応募ありがとうございました。その中から選出された、栄えある受賞作品は…? (12月31日締切分)

完成原稿部門:奨励賞 賞金3万円

「ハローハローサテライト」

「ハローハローサテライト」

西島世那(21)

あらすじ

宇宙に輝く星が人に力を与える世界で、その加護を授からなかった少年・大隅太陽。ある日何者かに拐われた幼馴染・椿を助けに向かうが、相手は特別な“星座”の力を持つ者だった――。

作品講評

キャラクターの設定や魅力といった要素と、それがどうすれば読者に伝わるかという演出・見せ方がきちんと作れている。画力、ストーリー構成ともに荒削りで発展途上だが、その上で成長性を感じさせてくれる作品だった。上手ではないが、好きになる人をしっかり掴める作風なので、良いところをそのままに技術面での成長を願いたい。画力の向上もそうだが、キャラクターの行動原理や思考といった内面、それを生み出した世界観の構築が今後の課題。

完成原稿部門:努力賞 賞金1万円

「C’est la vie!」

「C’est la vie!」

Arisa(23)

あらすじ

百年以上も旅を続けるケンタウレのシルヴィは、大きな身体、力強く軽やかな駈歩、美しい鬣を持ち、人々から愛されていた。旅の道中、シルヴィは、人間から迫害され尊厳を失った一匹のリザードマンと出会う――。

作品講評

粗いが力強く勢いのある筆致であり、人外の交流の描写に熱を感じた。だが、本題に入るまでがやや長く、全体的に冗長になってしまっている。そして、差別という理不尽で根深い問題に対して、主人公が憤るだけでなく、読み手の腑に落ちる形で対処し問題が解決されていれば、読後のカタルシスはより大きなものとなっただろう。

「エバーグリーンをもう一度」

「エバーグリーンをもう一度」

保科彗

あらすじ

何事にも熱意を持てない男子高校生・真島慧は、いつも隠れて音楽室でピアノを弾いていた。ある日、音楽室に現れた三崎コウは、ピアノコンクールに優勝するほどの才を持つ少年で……。

作品講評

キャラクターが一番輝く表情をしっかりと描けていたところが好印象だった。ただ、人と人が出会い救われる物語では、このキャラ同士でなければ救いが起きなかったと感じさせることが重要である。プロットや設定を考える段階で、このキャラクターでなければいけない部分をしっかり掘り下げて考えよう。また、他の絵が表情の描写力にまだ追いついていない。今までの作品から確かなステップアップは感じられる。着実に磨き上げていってほしい。

「白の魔道士と黒の美食家」

「白の魔道士と黒の美食家」

菓山(30)

あらすじ

魔道士学園の大図書館に突如現れたのは、数多の魔道書を喰らって封印された恐るべき〝魔獣〟――を自称する少女だった!?

作品講評

短くシンプルなストーリーとして纏めながらも、きちんとオリジナリティを盛り込もうとする意識が今作からも伝わってくる。一方、作品テーマの掘り下げについては不十分な印象。キャラクターで惹きつけるにはキャラクターが薄く、巡り合いが救いに繋がるドラマを売りにするにはクライマックスまでのけん引力が弱い。作品の強みを定めて強化していかないと凡庸に見えてしまう。作画バランスも含めて、さらにステップアップを。

「嘘つきラプンツェルと髪切りピノキオ」

「嘘つきラプンツェルと髪切りピノキオ」

ゆとと(23)

あらすじ

失恋して美容院へ髪を切りに行った少女は、その時出会った男性美容師・橘の励ましの言葉がきっかけで、橘に恋心を抱く。それ以来、橘に会うため少女は髪を伸ばしては失恋したという「嘘」を理由に来店し――…。

作品講評

読み手を引き込む力があり、センスを感じるネームが評価を得た。課題は作画面。キャラクターの表情などはよく描けているのだが、全体的に絵の粗さが目立った。丁寧に描くことを心がけ、しっかり仕上げることを意識して研磨してほしい。今後は、自分の武器であるネームの魅力を保ちつつ、全体の完成度の底上げを期待する。

最終選考作品

「友達になれませんか」(完成原稿部門)

サイ(22)

総評

奨励賞1作品・努力賞4作品選出。
新たな才能の萌芽を感じた今回。

奨励賞の「ハローハローサテライト」は、意外にも投稿作品ではあまり見かける事の無い、ド直球な少年漫画。作画も作劇も正直、まだまだ拙いが故の本賞なのだが、拙いなりに定石と王道をしっかり踏みしめた展開はほとんど無駄がなく、かつ、やりたい事を全て詰め込んだであろう作品。描いている本人を含め、読者を絶対に喜ばそうという気概すら感じた。演出のケレン味や躍動感もあり、ポテンシャルは十分。まずは経験値を積むため作品を量産しよう。

努力賞の「C’est la vie!」は骨太な画面作りも手伝い、地に足がついたネームが好印象だった。現状の作画の荒々しさが力強さと感じられるよう、筆致の部分での精進を心がけて欲しい。「エバーグリーンをもう一度」は作画に関して及第点ではあるのだが、どこかで借りてきたキャラクターを配置しただけのような印象を受けた。お手本となるキャラを借りるのは悪い事ではないが、自作品のキャラたらしめる何かを付与する事でオリジナリティを生みだそう。「白の魔道士と黒の美食家」は本来魅せるべきポイントが最後の方で描かれており、非常に惜しい。構成力が高ければ、全く違う印象の物語になるので、留意して精進を。「嘘つきラプンツェルと髪切りピノキオ」は丁寧に積み上げたネームが魅力。多少クライマックスがご都合主義であろうと、それを感じさせない構成だった。反面、作画部分の課題は多い。完成原稿ときちんと向き合い、次回作に取り組んで欲しい。

今後も可能性に溢れた、幅広いジャンルの作品の投稿をお待ちしております。

1月末〆切の発表は2019年2月28日!